ドル円 FXの投資機会

CHOKO - マーケットアナリスト丨CFA

2024-02-07 16:32:27

——現在の市況を考慮して短期および中長期の展望を示す

短期的には、ドルが高く円が安い状況が進行しています。2024年2月6日現在、1ドルあたり148円57〜58銭で取引されており、企業の景況感が市場予想を上回り改善しています。米国経済は堅調であり、米連邦準備理事会(FRB)による早期の利下げ観測が後退したことで円の売り・ドルの買いが優勢となっています。また、1月の米非製造業(サービス業)景況感指数が市場予想を上回る53.4と発表され、最近は景気の良好さを示す経済指標が相次いでいます。FRBの利下げのタイミングが後ろにずれる見込みが強まり、円安・ドル高のトレンドが強まっています。

中長期的には、ドル安・円高の方向が確定しています。下図に基づいて、ブルームバーグによる米国と日本の金融政策の確率で、米連邦公開市場委員会(FOMC)においては、2024年4月30日から5月1日にかけて25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げが開始され、その後7月30日、31日と11月6日、7日にも25bpずつの利下げが行われる見通しです。日本の金融政策については、日銀が春闘の集中回答日を経て、4月25日から26日にかけての金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の撤廃とマイナス金利の解除を決定すると予想されています。また、マイナス金利解除後は当面、ゼロ金利政策が継続する可能性が高いと考えられます。このような金融政策の背景にある今年の全体的なトレンドは、ドル安・円高の方向が極めて高いです。

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円安で恵まれた日本企業、今後は逆風が予想され

円安で日経225銘柄が恩恵を受け、上昇しています。昨年の円安が日本企業の業績を支えています。日経新聞によれば、主要な77社の2023年4〜9月期の営業利益は前年同期比で約8100億円の押し上げ効果があり、過去最高だった営業利益の増加額の5割を占めています。海外生産が拡大し、以前より為替の恩恵は減りましたが、引き続き業績をけん引しています。日経225銘柄の企業のうち、下図で4〜9月期の営業利益(一部事業利益など)への為替影響額を開示した77社を集計しました。平均レートは1ドル=141円程度と7円程度の円安が進み、8129億円の増益効果がありました。これを除いた「実力ベース」の営業利益は10%増でしたが、実際は20%増加しています。20円超の円安が進んだ前年同期の恩恵(約2兆円)は下回りますが、なお大きなものでした。

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トヨタ自動車の最新決算は過去最高を記録しました。同社は2024年3月期の連結純利益見通し(国際会計基準)を前期比84%増の4兆5000億円と発表し、従来の予想を5500億円上方修正しました。トヨタの純利益が4兆円台に達するのは初めてであり、2年ぶりに最高益を更新します。

しかし、今後は日本経済に逆風が吹き始める可能性があります。日米の金利差がさらに縮小すると、ドル売り・円買いの圧力が高まると予想されます。主要通貨に対する円高の傾向が強まれば、輸入物価の上昇を抑える一方で、輸出企業の収益減少や株価下落など、日本経済に逆風がもたらされるかもしれません。さらに、日本銀行によるマイナス金利政策の早期解除への期待が高まっており、円安トレンドに変化が見られ始めています。これにより、自動車を含む輸出企業の収益減少や株価下落など、日本経済にとって逆風となる可能性も考えられます。

Autor

CHOKO、上智大学経済学部卒、テクノロジー半導体業界アナリストとして3年間勤め、CFA 、FRM資格を取得した。

日本と中国の金融業界での実務経験があり、よりグローバルな視点から市場を分析することができ、株式ファンダメンタルズ分析、オプションプライシングと戦略、ボラティリティ分析を得意とする。 

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